台湾の日本統治時代初期の「義賊」廖添丁

数日前の記事に台中市豊原戸政事務所が「日本統治時期から戦後初期に至る戸籍調查及び登記文書」系列展というものを開催したというものがあった。その展示会では日本統治時代の人口動態、戦後初期の国民党政府が受理した各戸籍登記申請の百件近い関連文物が展示してあった。その中に台湾では有名な伝説の義賊廖添丁の戸籍簿があり注目されたという。内容は明治16年清水秀水一帯で生まれ,明治42年死亡。4件の窃盗罪の共犯であったこと、「三種戸」という監視対象だったことなどが書いてあった。
「義賊」廖添丁戶口調查簿亮相 註記「三種戶」列管 自由時報

そもそもその廖添丁という義賊はどういう人間か、中国語版wikipediaを見てみる。
概略としては


廖添丁(1883年5月21日-1909年11月18日)、台湾府大肚上堡秀水庄(今日の台湾台中市清水区秀水里)の人で日本統治時期の江湖(ヤクザの世界、堅気ではない世界)の人物,1909年8月からの三個月内に多くの北台湾の富豪や有力者に窃盗、強盗を行い,後に台北八里山区で警官隊と格闘の時,友人によって殺された,その時二十六歳。

廖添丁がしばしば政府側を襲った行為が反政府思想の発露に似ており、且つ多くは親日の有力者を襲い、伝聞では清貧で正義の行動があると言われ、台湾民間信仰の中で神格化され、また戯曲、講釈等で喧伝されたため、英雄視され今日の台湾では抗日の義賊と思われている。


次に史実という項目では事実だけ書いてある


廖添丁1883年5月21日(清光緒九年農暦四月十五日),今日台中市清水区秀水一帯で出生。八歳の時父親が死に、母親が再婚、父方のおばに育てられる。(十二歳の時台湾が日本に割譲され日本の統治になる)十八歳で犯罪を犯す。その後台湾北部に移動し臨時雇いで生活。鉄道工事、王爺神廟の建築、炭鉱等で働いたが、すぐに大きな犯罪を犯すようになった。

1902年(明治三十五年)三件の窃盗で台中地方法院で禁錮十ヶ月十五日の禁錮刑になる。1906年~1909年(明治三十九年~四十二年),廖添丁はまた多くの窃盗の記録があり、これにより逮捕され、同年出獄。

1909年(明治四十二年)八月廖添丁は警察の弾薬と剣を盗んだため、警察から重視される(しかし日本側からは抗日分子とはまだみなされていなかった)。ここから始まり同年11月に殺されるまで、わずか三ヶ月の期間に、多くの重大事件をおこした、例えば板橋林家搶案、基隆槍殺密探陳良久案、八里坌堡五股坑庄保正李紅家搶案。この期間は廖添丁の動きが最も活発だった。活動範囲は台中、台北、基隆、桃園を主要な地点とする。


後は夜も更けてきたので要約すると
明治42年(1909年)11月中旬には警察は廖添丁の隠れ場所を把握していたが、確実に捕まえるためわざと捜索を諦め全面撤退したという情報を流した。18日夜、廖添丁は山をおり友人の楊林を尋ねた、警察に協力していた楊林は廖添丁を油断させ、夜に紛れて台中に帰ることにして、廖添丁は隠れ家で安心して寝た。翌19日朝、楊林は警察と一緒に隠れ家を襲った、廖添丁は気が付き銃を打とうとしたが不発だった、楊林は傍にあった農具の鍬で廖添丁の頭を叩き、殺した。19日午前10時だった。死亡日は戸籍では18日となっているが、記録では19日。

新北市付近の伝説では廖添丁は少年の時から功夫の武術を習っていた。小役人に睨まれ日本の警察に指名手配されるよう陥れられた。そのため母親が逮捕され世を去った、一家は離散し、日本人に追われて逃げる身となった。

1910年から45年までに義賊伝説は出来上がっていたが、戦後生まれの呉楽天という人が国民党政権下で廖添丁を無頼の徒ではなく、抗日思想の知識人として描いた話を作り上げ人気を博したらしい。
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