李登輝元総統の文への反応の拾遺

李登輝元総統が日本の雑誌に発表した文章が中国や台湾の主に国民党系の人々の反発をよんで日本でも報道されている。
馬総統、「台湾を売った」と李登輝氏を批判 日本の雑誌への寄稿で 中央社
台湾総統府が李登輝氏を批判 抗日行事「嫌がらせでない」産経ニュース
国民党の総統候補、李登輝氏の主張に怒り 「恩義を忘れた老いぼれ」exciteニュース
李登輝氏「兄を靖国神社に祭ってくれた日本人に感謝する」=中国ネットは猛反発「こいつは何人だ?」「中国人の敵!」YAHOO!
今日の国民党の新聞稿から


新聞稿 中国国民党文化伝播委員会 104.08.21
国民党:蔡英文は選挙のため台湾を売る言論でさえ受け入れることができる

李党輝元総統が日本のメディアに投書して「いわゆる台湾の抗日の事実はない」等の見解を述べたことに対して、国民党文伝会主委林奕華は今日(21日)強調した、「李元総統は先人たちの日本統治への抵抗の史実を故意に無視し(刻意忽略)国家主権を侵害し、台湾人民を傷つける言論を発表したことは、受け入れることはできない。民進党主席蔡英文に至っては李元総統の談話は個人の歴史であり、お互いに受け入れ許容しなければならない(應抱持相互包容)と指摘した」 林奕華は痛烈に批判する、「民進党は普段の批判では勇ましいことを言うが、今回の李元総統の日本に媚び台湾を売る言論に対しては口を噤(つぐ)んで何も言わない、敢えて批判をしないだけでなく、蔡英文は甚だしいことに台湾社会が「受け入れ許容する」よう要求した、選挙を考えてか、二重規範も極まれりだ!」

林奕華は強烈に糾す、「蔡英文は総統候補者だ、これらの国権を喪失させ国を辱める台湾を売る言論に対して、些かも態度表明をせず、蔡英文は社会が異質な歴史解釈を受け入れ許容するよう要求した、まず説明しなければならないのは自己の歴史観はどのようなものか? 李登輝の言論を批判しない蔡英文あなたの国家観は(妳的國家認同)どのようなものか? いわゆる現状維持とは何か? よもや李元総統の台湾を売る言論の現状維持ではあるまいな?」

林奕華は指摘する、「日本統治時期は台湾は植民地だった、台湾人民は完全な公民権を享受していなかった、本土の言語文化伝統は圧迫されていた、台湾人にとっては、日本は絶対に真の「祖国」ではない、この点は疑う余地はない。また植民地統治という歴史的背景によって、確かに台湾人の一部は日本の対外戦争に参加した、しかし戦後その権益は未だ日本政府に重視されていない、台湾人民は日本の侵略戦争ではずっと被害者だったのだ」

林奕華は強調した、「蔡英文は中華民国総統候補者として、票を取るため全面的に迎合し、李元総統の媚日売台の言論を庇い、国民としての自己認識(國家認同)、台湾人民の主体性でさえ指摘しない! まさかこれが民衆が求める総統候補者ではあるまい? 蔡英文に熟慮するよう呼びかける、共同で厳正に李元総統の売台言論を譴責しなければならない、そうでなければ蔡英文の政策が空っぽだけではなく、国民としての自己認識でさえはっきり言えないほど空っぽだということだ(連國家認同問題都閃躲空心)」



柯文哲台北市長も李元総統の発言について話している。台北市の新聞稿から


李登輝元総統が日本は曾て祖国だった、台湾の日本に対する抗戦は事実ではないと言って、馬英九が李登輝の言葉に対して彼の謝罪と撤回を厳しく望んでいることに関して、柯文哲は昨日の話を再度繰り返して言った、「『相互認識、相互了解、相互尊重、相互協力』 これは両岸関係に適用されるだけでなく、国内の藍(国民党)緑(民進党)においても適用できる」 彼は併せて市長弁公室の蔡壁如の三人の叔父が南洋で死んだことを語り出した、「蔡主任は以前曾て私と彼女の家の話をした、彼女には三人のおじがいて南洋に行き最後は帰ってこなかった、それゆえ私は歴史は歴史だと考える、もし私が李登輝なら、私も言うかもしれない、ただあんなにはばからず(大剌剌)言う必要はないが。もし私が馬英九なら、彼の言う歴史も理解できる、李登輝としては彼の兄は日本兵だった、そして戦死している、位牌(牌位)は靖国神社にある、彼の言うことも間違いではない」 柯文哲は今度は姚立明と文化局長倪重華とで映画「KANO」と「軍中楽園」を見た話を持ち出した。「この二つの映画は非常に印象的だった、一回目は二人と一緒に「軍中楽園」を見た、二人は泣きじゃくっていた、私は何を泣いているのか奇妙に思った、彼らが言うには彼らの祖父の(世代の)話でそれゆえ感動したらしい。次に「KANO」の時は映画の中には日本語が出てきた、私は子供の頃日本語を話すことができたのを思い出した、私の父母も日本語を話せた、それゆえ1931年の台湾は日本語を話したのだ。しかし他の二人にとっては驚愕の事実だった。それゆえ歴史は歴史、それはこういうことだ『私たちは違う過去を持つ、しかし最後は共通の未来に向かって歩くかどうかだ』 またこう言える、相互了解ができるかどうかだ、それぞれの言い分は正しい、だからそんなに騒ぎ立てる必要はない」





22日には民進党の元首相謝長廷氏がFacebookで李登輝元総統と馬英九現総統それぞれに注文をつけている。


李登輝は彼が兵隊だったとき台湾と日本は同一の国だったと言った、彼と彼の兄は祖国日本のために戦った抗日のためではない。これは彼の人生で経験した事実だ。しかし彼は総統として十二年過ごした、そして国家から厚い礼節と待遇を受けた、個人の経験と感情を気ままに発表したが、違う経験を経ている族群*を傷つけることを避ける必要があったのではないか? とりわけ大陸で日本に傷つけられた族群の感情を。このことは確かに議論の余地はある。同様に、馬英九は現総統として、台湾の歴史が大陸と同じではないということを顧みずに、頑なに抗戦記念を拡大することによって、多くの老台湾人の感情を傷つけた。台湾の新時代の指導者に必要なのは違う歴史経験を受け入れ許容し共生する智慧で台湾の力を凝集させることであって、機会を捕まえては傲慢な態度で族群(の間)を引き裂くことではない。
*)民族、種族、文化等の同じ集団ここでは外省人のことだろう。下の図はwikipediaの台灣族群から
450px-Republic_of_China_(Taiwan)_demographics(Chinese).png

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